「女性と平和」への歩みをたどって
9月9日(火)、新渡戸遠友連続講座を愛生舘サロンにて開催しました。
今回の講師は、札幌ユネスコ協会副会長であり、国際ソロプチミスト札幌元会長でもある國田裕子さん。

テーマは「ユネスコ協会、国際ソロプチミストについて」。会場には一般参加者を含め、計23名(うち道民カレッジ生1名)が集まりました。
「女性にとって最良のもの」を目指して
國田さんは、まず国際ソロプチミスト(Soroptimist)について、その歴史と理念をご紹介くださいました。

「Soroptimist(ソロプチミスト)」という言葉は、ラテン語の「soror(姉妹/女性)」と「optima(最良)」を組み合わせたもので、「女性にとって最良のもの」を意味します。
1921年、アメリカ・オークランドで約80人の職業婦人によって結成されたこの団体は、たちまちヨーロッパ、そして世界へと広がりました。
現在では、「女性と女児の生活と地位の向上」を目的に、奉仕活動を行う女性の国際組織として活動を続けています。
国連にも協議資格を持ち、日本国内には5地域にまたがる約7,800人の会員が在籍。札幌でも積極的な活動が展開されています。
なお、本部はイギリス・ケンブリッジに置かれています。
ユネスコ運動の原点と日本の歩み
講座の後半では、ユネスコ(UNESCO:国際連合教育科学文化機関)の成り立ちと、日本における活動についてのお話がありました。
ユネスコは、1946年11月4日にパリを本部として設立されました。
その前身は、1922年に発足した「国際連盟知的協力委員会」であり、幹事長を務めていたのが、当時 国際連盟事務次長であった新渡戸稲造でした。

ユネスコ憲章では、「教育、科学、文化を通じて相互理解と寛容の精神を広げ、戦争の悲劇を繰り返さないこと」が根本理念とされています。
日本は1951年に加盟し、以来、災害時の子ども支援、U-smileプロジェクト、発展途上国への教育支援(世界寺子屋運動)、世界遺産の保護・保全活動、多文化共生の推進など、さまざまな分野でユネスコの理念に基づく活動が行われています。
札幌ユネスコ協会でも、街頭募金活動やチャリティカレンダー市など、市民に根ざした実践が日々行われているとのことです。

「学び」から始まる未来づく
國田さんは、ご自身の長年の活動経験を通じて、女性の社会参画と国際的なネットワークの重要性を語ってくださいました。
そして一人ひとりの関心と行動が、平和と文化を築く力になることを伝えてくださいました。
会場の参加者からも、「自分にできる小さな国際貢献から始めてみたい」といった声が聞かれ、講座はあたたかな拍手に包まれて終了しました。

次回の連続講座は10月14日(火)13:30-開催いたします。
「北海道いのちの電話の活動〜 市民運動としての 〜 」と題し、南 槇子さん(社会福祉法人 北海道いのちの電話 理事長)にご講演いただきます。
ぜひ奮ってご参加下さい。
- 場所: 愛生舘サロン(札幌市中央区南1 条西5 丁目8 番地 愛生舘ビル6階)
- 時間: 13 時半〜15 時半(開場13 時)
- 費用:一般 1,000円 道民カレッジ生・学生・高校生 500 円
☆詳細はこちら→https://nitobe-enyu.org/2025_renzoku_kouza/
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