遠友夜話22 安倍・小池・小泉・前原連合の野望

 安倍晋三、小池百合子、小泉純一郎、前原誠司は彼らの最大の政治目標である改憲・再軍備で完全に一致している。そこで、「今回の希望の党、民進党の胡散霧消の本当の狙いは、反安倍勢力、反原発勢力の大同団結に見せかけて、彼らの最大目標の改憲・再軍備推進勢力の拡大を実現することである。実は保守の大同団結なのである。」という仮説を立ててみた。だからこそ、最右翼のこころの党の中山恭子も希望の党に参加したいと言っているのだ。

 深くを考えない反安倍庶民は、反安倍の受け皿として小池の希望の党に票を入れるだろう。小泉・小池会談は小池が反原発派を取り込むために反原発を希望の党の党是に組み入れるよう小泉が入れ知恵したのだろう。そして、反安倍・反原発庶民は希望の党に投票する。いざ蓋を開けてみたら議員の大多数が憲法改定・再軍備賛成派となる。原発論議は長引いても改憲・再軍備はすぐにでも実現したい。これが彼らのシナリオだ。

 だから、反安倍庶民を抱き込むためには、希望の党は安倍と対立しているように見せかけなければならない。間抜けな安倍首相が最初は「希望はいい響きだ」などと本音を見せたが、すぐに対立ポーズをとり出した不自然さを見逃してはいけない。シナリオライターに怒られたのだろう。このシナリオは、「政府与党内に公明党が睨みをきかせて安倍行き過ぎを諌めるからすこしは安心だ」とか、「安倍さんの奥様は家庭内野党だから」という国民幻惑作戦と同じシナリオだ。表では対立の構図を見せながら、裏ではがっちり繋がっている。どうも同じシナリオライターが今回の選挙をめぐる一連の動きに関与しているようだ。

 なんとしても安倍政権を倒すとしていた民進党党首前原は民進党を内部から腐らせるために送り込まれた腐朽菌だと思っていたが、ついに馬脚を現した。「民進党からは公認候補を出さない、希望の党から公認を得てくれ」。「希望の党は憲法改定に賛成でなければ公認しない」で、護憲派民進党員の行き場を完全に奪ってしまった。党首自らが民進党をぶっ潰した。

 政界の魑魅魍魎たちの動きは面白いといえば面白い。前原にとって、安倍が降板しようがしまいが改憲・再軍備が実現するなら問題はないだろうし、小池についてもそうだ。そしてあわよくば自分が首相になろうと、虎視眈々と狙っている。ここに今回のシナリオの弱点があるといえばある。シナリオライターの意図に反する権力争いが起きるかもしれない。

 今回の選挙では、彼らに維新の党、こころの党をあわせて、自民票は減る可能性はあっても改憲・再軍備勢力は増えこそすれ、票を減らすことはないだろう。そして、「国民の支持を得た」と言って再軍備の準備を着々と進める。こうなってしまったらおしまいだ。多数決による「民主主義」の限界である。衆愚政治ここに極まるか、良識の民主主義を守りきれるか、国民の民度が問われている。最近、私の民主主義の定義が「民主主義とは多数の愚かな国民が愚かな代表を選び、良識を圧殺する政治制度である」というふうに変わってきた。(毒舌学者)

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